今回は障害者雇用のカウントについてご説明します。
障害者雇用の担当者ならご存じの、法定雇用率。採用される側にはあまりなじみのない言葉かもしれません。
法定雇用率は、採用する側も、される側もきちんと理解しておく必要があると思っています。
まずは、障がい者雇用のルールの説明からしていきます。
法定雇用率とは?
法定雇用率とは、事業主が雇用する従業員に占める障害者の割合を定めた基準のことです。これは、障害者雇用促進法43条第1項に基づき、一定規模以上の企業に課される義務です。具体的には、以下のルールが適用されます。
- 対象企業:従業員数が43.5人以上の企業は、障害者を1人以上雇用する必要があります。
- 民間企業の法定雇用率:2.3%(2024年時点)。従業員100人の企業では、2.3人分の障害者雇用が必要です。
この割合を満たしていない場合、企業には以下のペナルティが科されます。
- 罰金(障害者雇用納付金):法定雇用率を満たさない企業は、納付金を支払う義務があります。
- 企業名の公表:未達成の状態が続くと、厚生労働省が企業名を公表する可能性があります。
法定雇用率を超えるメリット
一方、法定雇用率を達成または超えている企業には以下のメリットがあります。
- 調整金・報奨金の支給:障害者を積極的に雇用している企業は、経済的な支援を受けられます。
- 助成金の利用:障害者の雇用に伴う作業施設や設備の整備、職場環境の改善などに対して助成金が支給されます。
これにより、企業間の負担の公平性が保たれると同時に、障害者雇用の水準向上を目指しています。
項目 | 内容 |
---|---|
法定雇用率とは? | 事業主が雇用する従業員に占める障害者の割合を定めた基準。民間企業の法定雇用率は 2.3%。(障害者雇用促進法43条第1項) |
対象企業 | 従業員 43.5人以上 の企業は、障害者を 1人以上 雇用する必要がある。 |
法定雇用率未達成のペナルティ | – 法定雇用率を満たしていない場合、罰金(障害者雇用納付金)を徴収。 – 達成できない状況が続くと、厚生労働省から 企業名を公表 されることもある。 |
法定雇用率を超える雇用のメリット | – 法定雇用率を達成している企業には 調整金や報奨金 が支給される。 – 障害者雇用に伴う施設・設備費用について 助成金 の支給もある。 |
障害者雇用のカウント方法
障害者雇用では、単に障害者を雇用すれば良いわけではなく、その雇用形態や労働時間によってカウントが異なります。
労働時間/週 | カウント方法 | 補足 |
---|---|---|
30時間以上 | 1人分 | この基準を満たす雇用が望ましいとされています。 |
20時間~30時間未満 | 0.5人分 | 「短時間労働者」として扱われ、法定雇用率の計算に加算されます。 |
20時間未満 | カウント対象外 | この場合、障害者雇用率に含まれません。 |
特例措置 | 精神障害者手帳保持者(2023年3月末まで)延長している | 該当者を雇用すると、0.5人ではなく1人分としてカウントされる特例措置がありました。現在は終了しています。 |
100人従業員がいる民間企業であれば、民間企業の法定雇用率は2.3%、2.3人障害のある方を採用しなければなりません。
ちなみに、雇用率が達成できていないことが続くと、厚生労働省から企業名を公開されてしまいます。
まずは短時間から働いて、慣れてきたら徐々に時間を伸ばしたい…と思っている方も多いと思います。まずは30時間働ける体力と、実績を作りましょう。

体力作りができるおすすめの場所とは?
一日家にいるだけだと、体力も実績もなかなか作りにくいですよね。
おすすめなのは、毎日通うことができる図書館! そこで朝から夕方まで滞在するとか、午前中は図書館、午後は体力作りのために散歩とか、家で資格の勉強をするなど。何をしていてもよいのですが、毎日何かをしていたことが重要です。
なかなか一人では…と思う方は、就労移行支援事業所もおすすめです。以前、うつ病を患い、1年ほど引きこもっていた方が、「毎日通える施設は意外と少ない。就労移行支援事業所はとてもありがたかった」とおっしゃっていました。
利用料がかかる場合もありますが(前年度の収入によりますが、多くの方が無料で利用しています。) 就労移行支援事業所は、毎日通うことができ、就職に向けて様々な訓練をすることができます。
まずは週30時間勤務できるように、体力と実績作りをしていきましょう!