私は障害をもっていますが、障害者雇用と一般雇用のどちらで就職するか迷っています。障害者雇用のメリットとデメリットを比較し、どちらで就職するか決めたいです。
このような悩みを抱えている方に向けて、今回はキャリアコンサルタントで、元就労移行支援事業所スタッフ経験者である笠見が、障害者雇用のメリット・デメリットと、障害開示の範囲によって変わる働き方について分かりやすく説明します。
障害者雇用とは?
障害者雇用とは、障害者手帳を所持している方が、専用求人に応募し、雇用されることです。
障害者専用求人に応募する際は、障害者手帳を所持していることが必須です。
次に、障害者雇用のメリット・デメリットについてご説明します。
障害者雇用のメリット
1. 仕事内容や環境面などの配慮を受けられる
障害により、自分の努力や工夫ではどうしようもできないことに対して、企業側が対処することを合理的配慮といいます。
例えば、業務内容を特性にあったものに変えてもらったり、短時間勤務、働きやすい環境の整備などです。
2. 周りの理解を得られる
障害者雇用だと、障害があることを知った上で雇用するため、職場の人からの障害理解を得やすいです。
また、一緒に働くメンバーも何らかの障害を持っているため、相互理解し合いながら働くことができます。
理解してもらえる、という心理的負担も軽減するため、結果として長期就労にも繋がるのです。
3. 安定して働くための支援を受けられる
就職後、長く続けられるか、何か問題があったら・起こしたらどうしよう…そんな不安をお持ちの方は多いと思います。障害者雇用であれば、就職後の支援、就労定着支援が受けられます。
ジョブコーチ制度を利用すれば、就職後も企業へ訪問したり、本人と面談して困りごとを一緒に解決してるような制度もあります。
障害者雇用のデメリット
1. 給与が低い
障害者雇用のメリットは大きいですが、一方、デメリットととして一番最初にあがるのが「一般雇用に比べて給与が低い」ことです。
障害者雇用の1ヵ月の平均賃金 | |
---|---|
身体障がい者 | 21万5千円 |
知的障がい者 | 11万7千円 |
精神障がい者 | 12万5千円 |
身体障がい者の給与は身体への配慮のみで働けるため、一般雇用とあまり変わりません。
一方、知的障がい者と精神障がい者の給与は最低賃金がほとんどです。なぜなら、配慮を多く必要とする方が多く、短時間勤務の方も多いためです。
2. キャリアアップの制度が整っていない
給与が安いことだけでなく、キャリアアップの制度があまり整っていない企業が多いのもデメリットです。
一般雇用のキャリアアップ制度とは別に制度を作っている企業もありますが、別のものにすると手間もかかるため、後回しになっている企業も多いです。
ただし、障害があってもキャリアをきちんと詰めるようなキャリアパスを用意している企業も少なからずありますし、少し増えてきている印象です。
一般雇用だけど、障害を開示する働き方
一般雇用と障がい者雇用、一長一短でどっちにしたらいいのかわからない。そう悩む方もいらっしゃると思いますが、一般雇用と障害者雇用の中間的な働き方をしている方もいます。この中間的な働き方をセミオープンと言ったりします。
セミオープンは、一般雇用。一般雇用なので、もちろん合理的配慮はありません。
ただし、障害を開示することで、周りからの理解を得ることが出来ますし、残業は控えめにしてもらうなどの少しの配慮を受けられる場合もあります。
ただし、一般雇用で障害を開示するセミオープンでの働き方は、
スキルや経験がある方、自分の障害を受け入れ対策をもっている方のみです。
まとめ
一般雇用、障害者雇用、一般雇用で障害を開示する働き方を説明しましたが、自分がこれから先、安定して働くためには、どんな働き方がよいかよく考えてみましょう。
一人で考えられなければ、就労支援センターや、就労移行支援事業所などを利用されるとよいと思います。
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