障害を言わずに働くときのメリットとデメリットを比較

障害を言わずに働くときのメリットとデメリットを比較 就活対策

就職には、障害のあることを企業に開示して就職する障がい者雇用=オープン就労と企業に非開示で就職する一般就労=クローズ就労があります。

今回はそれぞれのメリットとデメリットについてご紹介します。

下の図にもあるように、障がい者雇用=オープンではありません。
一般雇用でも障害を開示した働き方はオープンと呼ばれます。

クローズ就労のメリット・デメリット

クローズ就労のメリット

クローズ就労のメリットは、大きく分けて3つ。

  1. 給与は障がい者雇用より高い
  2. 求人数や職種が豊富
  3. キャリアアップしやすい

1.給与は障がい者雇用より高い

メリットの一つ目は「給与水準が障がい者雇用より高い」ということです。

クローズ就労=一般就労は、オープン就労に比べて正社員登用が多い傾向にあり、賞与や昇給が設定されている企業も多いです。よって、給与水準が高くなります。

ただし、業種や就労先によっては、専門的な職種の障害者枠の給与の方が高いという場合もあります。

私が支援した障害をお持ちの方は、オープン就労にもかかわらず前職での経験を評価されて、一般雇用されている方と同じ給与をもらっている方もいらっしゃいます。

また、障がい者就労される方は、時短で働いている方も多いので、どうしても給与水準が下がってしまします。フルタイム勤務であればクローズ就労と変わらないことも多いので、応募先を選ぶ際は、フルタイム勤務になった際の給与を確認するようにしてください。

2.求人数や職種が豊富

2つ目のメリットは「求人数や職種が豊富」という点です。

まず、求人数については、ハロワークに登録されている求人数で比較してみましょう。

一般求人(フルタイム)では、821815件の求人数に対し、障がい者求人(フルタイム)では5734件。こんなにも求人数に差があるのです。

求人数が多いと、あなたの希望する条件に合った仕事内容や職場が見つけやすく、いくつか選んだ企業の中から選ぶことができます。

また、オープン就労では、事務補助や、軽作業など、比較的簡単な仕事が多いの対して、クローズ就労では、職種も豊富で、総合職や専門職などの多様な選択肢があります。

最近ではオープン求人でも専門的な職種も増えてきていますが、まだまだクローズ就労に比べると少ない印象です。たくさんの求人の中から選びたい方にとっては、クローズ就労はかなりのメリットになります。

3.キャリアを形成しやすい

3つ目のメリットとして、「キャリアアップ形成しやすい」という点が挙げられます。

一般就労では、障がい者雇用と比較するとキャリアを形成しやすいです。専門知識やスキルを向上させ、経歴を高めたり、経験のある特定の業界や職種でより専門的な知識を身につけたり、より高度な職務経験を積んだりすることも可能です。

また、昇進や昇給、契約社員から正社員へ雇用形態が変化するなども「キャリアアップ」といえるでしょう。

一般就労は企業内の評価制度が整っているところも多いため、自分のキャリアをどうしていきたいか考えていくことができます。一方、障がい者雇用だと、まだまだ制度が整っていないこともあるため、入社時の業務内容や、給与のまま働いている方もたくさんいらっしゃいます。

では次に、クローズ就労したときのデメリットを考えてみましょう。

クローズ就労の3つのデメリット

1.障害があることを言えないという不安

クローズ就労の際、一番のデメリットは「障害があることを言えないという不安」です。

障害を開示せずに働きたいと考えている方は、自分の障害を隠したいと思っている方が多いです。

しかし、「障害があることを言えない」という気持ちは、精神不安につながり、仕事の成果にも影響を与えてしまいます。

また、障害を誰にも言わずに、無理をした結果、病気の再発や、うつや不安障害などの「二次障害」を発症してしまう場合もあります。

クローズ就労を希望する場合は、障害を言えない、という不安な気持ちと上手に付き合っていく必要があるのです。

2. 障害への配慮を受けられない

2番目に挙げられるデメリットは、「障害への配慮を受けられない」です。

クローズ就労の場合、障害を開示しないため、障害のない方と同じように働くことになります。

障害の特性的に、苦手、できないこともやらなければいけない可能性があります。

「なんでそんなこともできないんだ」と叱られたり、無理して取り組んだ結果、仕事が遅く納期に間に合わなかったり、ミスを連発するなどして、徐々に仕事を任せてもらえなくなることもあり、結果として退職することになってしまった方も少なくありません。

もし、あなたがクローズ就労を考えているなら、配慮がなくても働けるか、また、配慮がないことでどんな影響がありそうかよく考える必要があります。

3.就職先と支援機関の連携ができない

最後のデメリットは「就職先と支援機関の連携ができない」です。

オープンで就職すると、就職後も、就労支援機関(就労移行支援事業所や、就労支援センター、ハローワークなど)のサポートを受けられます。例えば、「直接会社の人には言いにくいな…」ということも、支援機関から企業に伝えてもらうこともできます。あなたが職場に定着できるよう支援をしてくれます。

しかし、クローズ就労の場合は、「支援機関とあなた」の2者間での支援はできるものの、「支援機関と職場」の間の支援はできません。

そのため、就労後、困ったことがあっても、上長に相談できず、一人で抱え込み、体調を崩したり会社に行けなくなってしまう場合もあります。

まとめ

給与が低いし、将来のことを考えると、クローズで働きたいと考えている方も多いと思いますが、無理をして働くことで病気の再発や、二次障害を発症するなど、働けなくなってしまうというリスクもあります。

長い目で見て、自分がどうしたいか、どうなりたいか、どのように仕事をしていきたいか、よく考えて自分に合う働き方を見つけてくださいね。

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