障害者枠で働こうと思っているけど、配慮事項がない、浮かばない…という方もいらっしゃいます。
しかし、障がい者枠で働くためには、「配慮事項」は必須です。
今回は、今まで障害のある方を100人以上支援をしてきました経験から、配慮事項はなぜ必要なのか、配慮事項の作り方を解説します。今は配慮事項がなくても、これから説明する5ステップに沿って考えていくと誰でも配慮事項を作ることができます。
最後までぜひお読みいただけると嬉しいです。
配慮事項なしでもいい?
障がいのある方の支援をする中で、「配慮事項は書かないほうがいい」と思っている方がいらっしゃいます。理由を聞くと「配慮をお願いすると採用されないから」。
確かに、配慮事項が極端に多いと、企業としても採用を見送る場合もあるかと思います。
しかし、配慮事項は障がい者雇用では必須です。
なぜなら、
配慮が不要なら、一般雇用で働けるはずだからです。
障害があり、働くことに困難さを抱える方が、配慮をもらいながら働く働き方が障がい者雇用です。
障がい者雇用枠で就職するなら、配慮事項はしっかり伝える必要があるのです。
配慮事項を伝えることは全然問題のないことですし、企業はあなたが安心して働くためにどんな配慮が必要なのか伝えてほしいのです。
「配慮事項はありません」と伝えることで、「自己理解していない」とも取られてしまうこともあります。
実際に私が過去に支援してきた方で、配慮事項がないと言っていた方は、やはり自己理解が足りていなかったり、自分の障害を理解することが難しい方でした。
さて、配慮事項が必須だとわかったけど、本当に配慮してもらうことはないんだよなあ~…と考えている方もいらっしゃると思います。
そんな方のために、配慮事項を一緒に考えてみたいと思います。
配慮事項の作り方5STEP
STEP1 困りごとをリストアップする
過去の経験で困ったこと、具体的にはすぐに解決できたものではなく、「いつも困っていること」を書き出していきましょう。思い浮かべるだけでなく、実際に書き出すことが大切。スマホやPCでもいいですし、もちろん手書きでもOK。
例:納期に間に合わないと思って急いで入力したらミスを連発してしまった。焦るとミスが多くなってしまう。
STEP2 なぜその困りは起きたのか、原因は?
次に、STEP1で書き出した困りごとは、どうしてその困りが起きたのか、原因を考えてみましょう。どんな状況だったのか詳しく書き足していきます。どうして起きたのか、起こった時の状況や環境、背景についてできる限り詳しく書いていきましょう。
例:納期に間に合わない可能性があった。終わると思っていたのに終わりそうもなく、見積もりが甘かった。
STEP3 その困りに対して、自分で改善できそうな工夫は?
STEP1で書いた困りに対して、自分で改善できそうな工夫はありますか?また今取り組んでいることはありますか?思い浮かぶだけ全て書き出してみましょう。
例:焦らないように計画的に進めていく、セルフチェックを2回行う、焦りが出たら休憩を取り、気持ちを落ち着かせる
STEP4 その困りに対して、周りに協力してもらいたいことは?
周りに協力してもらいたいことを書き出します。これが配慮事項になります。こうしてもらえたら困りごとが起こりにくくなると思うことを書いていきましょう。
例:ミスが心配なのでダブルチェックをお願いしたい、納期がある場合は余裕のあるスケジュールにしてほしい
STEP5 書き出したことをまとめる
最後に、ここまで書き出したことを、一つの文章にまとめれば完成です。
まとめ:焦るとミスが多くなってしまう。セルフチェックを欠かさず行い、丁寧に入力するようにしているが、ダブルチェックや、余裕のある納期設定をしてもらえるとミスがなくなる。
- 焦るとミスが多くなる=特性
- セルフチェックや丁寧に作業をする=特性に対する対策
- ダブルチェックや余裕のある納期設定=配慮事項
この配慮をもらえれば、安心して仕事ができ、成果を出せそうじゃないですか??
まとめ
障がい者雇用では配慮事項は必須です。配慮は、パフォーマンスを発揮するために必要なものです。
配慮事項がない方、ぜひ今回解説した5ステップで配慮事項を作ってみてください。
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