発達障害とは?
発達障害とは、生まれつきの脳の障害のために言葉の発達が遅い、対人関係をうまく築くことができない、特定分野の勉学が極端に苦手、落ち着きがない、集団生活が苦手、といった症状が現れる精神障害の総称です。
症状の現れ方は発達障害のタイプによって大きく異なり、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害、などさまざまな障害が含まれます。
ミスが多いのはどんな障害?
一般的に、注意欠陥・多動性障害(ADHD)はミスが多いと言われています。
ADHDの主症状は
- 不注意
- 多動性・衝動性
の2つ。
ミスしやすいのは不注意の症状のひとつ。集中力が持続しない、継続的に同じことに取り組むことができない、ミスやなくし物が多い、上の空になりやすいなどの症状が見られます。
本人は真面目に取り組んでいても、他者から見ると怠けている、すぐに物事を投げ出してしまうなどと思われるようになってしまいます。決して悪気があってやっているわけではありません。
どんなときにミスしやすい?
あなたはどんなシチュエーションでミスが出てしまいますか?どんなことでミスしてしまったか思い出してみましょう。
たとえば、
- 急いでいる時
- 急な予定変更があった時
- 単調な作業を繰り返す時
- 複数タスクを同時進行する時
など。
納期に追われていると間に合わせることに意識が集中してしまいミスしてしまう。
いつも同じ工程で進めていたことに対して、イレギュラーが突然発生すると頭が追いつかずにミスしてしまう。
こんなこと、ありませんでしたか?
まずは、自分がどんな時にミスしやすいのか思い出して、ミスの傾向を考えてみましょう。
自己対策
つぎに、ミスへの対策です。ADHDに限らず、誰にでもミスはしてしまうもの。
ミスが続くようなら、まずは自分でできる対策をしましょう。
一般的なミス対策として
- 自分でチェックリストを作る
- 自分で手順書を作る
が、よく挙げられます。
チェックリストや手順書がなければ、自分で作ってみましょう。
そのほか、
- 休憩をはさむ(集中力をキープ)
ことも、ミスを予防するための対策のひとつです。
就労移行支援事業所の利用者さんでも、こまめに休憩を入れることで集中力を保ちながら業務を行う方は多いです。
職種選びが重要
ミスが出やすい仕事
ミスをしないように、減らすために自分でいくら対処しても、どうしたってミスが出てしまう仕事はもしかしたらあなたには向いていないのかもしれません。
例えば、
- 日によってやることが変わる仕事
- 臨機応変な対応が必要な仕事
- マルチタスク
- 短い納期が定められている仕事
- 転勤がある
いきなり仕事のやり方が変わったり、差し込みで業務がどんどん入ってくるとか、あれもやりつつこれもやる、みたいな仕事はどうしてもミスがでやすいです。
ただでさえADHDの方は頭の中が常に騒がしいので、落ち着いてできる仕事の方が良いです。
ミスが出にくい仕事
では、逆にどんな職種ならミスが出にくいのでしょうか。
- 工程がシンプル
- シングルタスク
- 納期設定が緩やか
- マニュアルに沿って行う
例えば、フォーマットへのデータ入力、在庫確認・管理、キッティング、ピッキング、清掃、配送準備・受け入れ、食品加工、客室清掃、コンビニ店員 などなど。
一度工程を覚えれば、あとは毎日同じことをしていく仕事はミスが出にくいです。
しかし、単調な仕事過ぎてもミスを多発してしまうことがあります。
いくつかの単調な作業を入れ替えながら行うのが一番ミスが出にくいと聞いたことがあります。
どんな仕事や職場があっているか分からない時
自分のミスの傾向をふり返ってみたけど、自分がどんなことでミスをしやすいのか、どんな仕事が向いているのかわからない方もいると思います。
そんなときは、アセスメントを取ってもらいましょう。
アセスメントをとるとは?
作業や面談などを通して本人の適性や物事の取り組み方、受け止め方などを確認し、適正や課題点を見つけていくことです。
自分のことは一番自分が分からないと言いますよね。
灯台下暗し的な。
自己評価と、他者評価に大きく乖離がある場合もあります。
第三者に自分を評価してもらうことで、自己理解が深まることがあります。
どこでアセスメントを受けられる?
まずは主治医に相談してみましょう。もし、通院していなければ、お近くの福祉センターに相談に行きましょう。
福祉の相談は保健師さんが一番です。
もっと気軽に受けたいんだ!と言う方は、ネットで気軽に職業適性検査を受けられます。
私も検査したミイダスは、転職マッチサイトですが、自分の市場価値診断の他、認知バイアス、コンピテンシー診断などもあり、新しい自分に気づくきっかけになりました。無料でここまで検査できるのは素晴らしいです。
その他、自分に合う仕事だったり、適正を見つけたい場合は、就労移行支援事業所がおすすめです。
理由としては、毎日通所し、様々なトレーニングを通してあなたの強みや、弱みをしっかりアセスメントしてくれます。
何度も転職していたり、もう失敗したくない、、、とお考えの方であれば一度就労移行支援事業所へ話を聞きにいくとよいと思います。
障害者雇用も検討してみよう
ミスしにくい仕事を選ぶのもひとつですが、障害者雇用で働くのもひとつです。
障害者雇用であれば、みなさんの特性に配慮した働き方ができます。
少しの配慮で一気に働きやすくなる方もいます。いつも不安感を持ちながら働くのはつらいことです。
あなたの弱み(ミスしやすい)に着目するのではなく、強みを活かして働けることを願っています。