皆さん、こんにちは。
元就労移行支援スタッフで、現在は企業で人事として働いている笠見です。
今回は上記の悩みを解決できる記事を書きました。
この記事を読んでいる方は、もしかすると就労移行支援を使いたいと考えているかもしれません。
就労移行支援には利用料がかかることをご存知ですか?
就労移行支援の利用料は、国と自治体が9割を負担し、残りの1割を利用者が負担することになっています。
一割ってだいたいいくらなんだろ…?
生活に余裕が無いため利用料が心配な方もいると思いますので、
- 利用料が掛かる場合の計算方法
- 利用料以外に必要な費用
トータルでいくらかかるのか明確にお伝えします!
就労移行支援の利用料
就労移行支援の利用には、利用料がかかるとお伝えしましたが、実は9割の方が無料で使っています!
世帯の収入状況 | 負担上限月額 | |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(※1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯 (所得割16万円(※2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、 グループホーム利用者を除きます(※3)。 | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(※1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(※2)収入が概ね600万以下の世帯が対象になります。
(※3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合「一般2」となります。
※その他条件によって減免があるので、各行政に確認してください。
厚労省:利用負担額
例えば2024年の6月から利用する場合、2023年度(2023年4月〜2024年3月まで)に働いていて、収入が
独身の場合は本人のみ、既婚者の場合は本人と配偶者の合計収入が対象であり、同居する親や兄弟の収入は計算には含まれません。
したがって、就労移行支援事業所を利用する方の約9割が無料で受けられることになります。
ご自身が無料で利用できるかどうか、利用料の計算方法について詳しく解説します。
生活保護
生活保護を受けている方は、就労移行支援事業所を利用する際の利用料は無料です。
さらに、生活保護を受けている方は市町村民税が非課税となりますので、利用料は完全に無料となります。
障がいがある方の場合、前年度の収入が135万円以下であれば市町村民税が非課税となります。
そのため、就労移行支援事業所の利用料が無料になる可能性があります。
また、障がい者手帳を持っている方で、3人家族で障害基礎年金1級を受給している場合、世帯の収入がおおむね300万円以下であれば、低所得として認められます。この場合も、就労移行支援事業所の利用料が無料になる場合があります。
一般1(市町村税課税世帯で所得割が16万円未満)
市町村税を課税されている家庭で、さらに所得割が16万円未満の場合は、利用料が上限9,300円までとなります。
所得割が16万円未満とは、おおよそ年収が600万円以下のことを指します。
ただし、入所施設やグループホーム、ケアホームを利用していて、20歳以上で市町村民税課税世帯の場合は、「一般2」に該当します。
一般2(市町村税課税世帯で所得が16万円以上)
市町村民税を課税され、かつ所得割が16万円以上ある場合は、最高でも37,200円の利用料がかかります。所得割16万円以上とは、年収がおおむね600万円以上ということです。
しかし、ほとんどの人が生活保護や低所得に該当しているため、就労移行支援事業所を無料で利用しています。また、自治体によっては利用料を負担してくれる場合もあります。
利用料は事業所によって変わる
就労移行支援事業所の利用料は施設によって異なります。一般的に、1日あたりの利用料は600円から1,300円ほどです。
表の一般1と一般2の場合、利用者負担は1割となるため、元の利用料は1日あたり6,000円から13,000円ほどです。
利用料は、就職実績の良い事業所や有資格者のスタッフが多い事業所ほど高くなる傾向にあります。
しかし、全ての新しい事業所が高品質であるわけではなく、必ずしも高い利用料金が優れた事業所を示すわけではありません。
利用料は、通所した日数に基づいて計算されます。利用しなかった日数はカウントされません。
利用者負担額の計算方法は簡単です。1日あたりの利用料金に利用日数を掛けたものが利用者負担額となります。
利用料シミュレーション
一般1の方が1日600円の利用料がかかる就労移行事業所を月に20日間利用した場合、
600円 × 20日 = 12,000円/月
ですが、利用料の上限は9,300円なので、月1,2000円かかるところ、9,300円となります。
9,300円(上限金額)÷600円(1日の利用料)=約13日(上限金額に達する日数)
月に13日以上利用した時点で自己負担額の上限金額を超えるため、これ以上は何日利用してもその月の利用料は9,300円を超えることはありません。
仮に、体力がないため週2日から利用する場合は、
600円×10日 = 6,000円の利用料となります。
しかし、1日の利用料が1200円の事業所を使うと、
1,200円×10=12,000円なので、上限9,300円の利用料です。何回通っても9,300円ですから、ある意味たくさん使ったほうがお得感はあります。
利用料以外にかかるお金
就労移行支援事業所を利用するときに掛かる費用は、利用料だけではありません。
交通費、お昼代も考える必要があります。
就労移行支援事業所では給料や工賃が発生しないため、利用する際に掛かる費用は基本的に自己負担です。
ここからは、利用料以外に必要な費用を確認していきましょう。
交通費
就労移行支援事業所に通う際の交通費。毎日通う場合、大きな出費になることがあります。
しかし、障害者手帳を持っている場合、バスや電車の運賃が半額になったり、無料になる場合があります。
また、自治体によっては交通費の援助制度が設けられている場合もあります。援助の有無、内容は自治体によって異なるため、住んでいる地域の障害福祉課に問い合わせてみることをおすすめします。
車で通う場合、ガソリン代や駐車場代も必要です。
月極駐車場を利用すると都市部では10,000円から20,000円、地方では4,000円から6,000円ほどかかることが一般的です。ただし、県や市町村が管理している駐車場の場合、障害者割引が適用になることがあります。
利用する車が自分のものでなくても、介護する方の車であっても適用される場合があるため、事業所がある地域のホームページで確認してみましょう。
昼食費
就労移行支援事業所に通う際のお昼代についても注意が必要です。
自宅からお弁当を持参したり、コンビニで購入する方、外食する方もいるでしょう。
私が働いていた就労移行支援事業所では、お弁当持参の方が半分くらいいました。
毎日のことですから、結構な出費になりますよね。
お昼を無料提供してくれる事業所もある
事業所によっては昼食を無料で提供したり、上限がありますが補助金を出してくれる場合もあります。
厚生労働省の調査によると、食事を提供している就労移行支援事業所は60.7%あります。また、昼食提供がある事業所であれば、昼食代はかかりません。
就労移行支援事業所のココルポートは、交通費、昼食費は無料。安心して使えますね。
ココルポートは2023年4月時点で、首都圏・大阪・福岡等に69箇所の事業所を展開しています。お近くにあるか調べてみてください。
診断書
就労移行支援事業所の利用時や、利用中に医師の診断書が必要な場合があります。
診断書を取得するための費用は病院ごとに異なり、2,000円から5,000円程度かかることが一般的です。。診断書の発行は医療行為ではないため、自費負担が必要となります。
また、就職時に改めて診断書を取得するように言われることもあります。
まとめ
- 就労移行支援事業所を利用するときは前年度の世帯収入で決まる
- 利用料以外にも診断書や交通費、昼食代が掛かる
- 自治体から費用の援助や昼食を無料提供する事業所もある