元就労移行支援事業所スタッフ。現在は企業人事として障害のある方を含め、多様な人材の採用をしています。就労移行支援事業所では就労支援リーダーとして100名以上の就労者を出した経験あり。支援者側、採用側の両面の視点でブログを書いています。
今日は「障害があってもやりたいことをアピールしよう」という内容です。
障害のある方の採用面接では、「特性」、特性に対する「対策」、そして配慮事項の三点セットがお決まりです。
私のブログにもこの3点は説明できるように、と書いています。
就労移行支援事業所を利用している方であれば、必ずと言ってよいほどこの3点は言えるようにまとめています。
障害者雇用は、一般の人と同じように働くのが困難な方のための制度です。
ですから、一般雇用では難しい理由が必要で、理由を説明するために、この「特性」「対策」「配慮事項」が大切になってくるわけです。
しかし、この3点セットばかりに注力していればいいのでしょうか?
さて、冒頭でも書きましたが、今日は「障害があってもやりたいことをアピールしよう」ということについてお話しさせてください。
障害のある方の面接をするときに、特性、対策、配慮事項はスラスラと言えるのに、「あなたの得意なことや、やりたい事はなんですか?」と聞くと途端に「(まだ)わかりません」と言われる方がいます。
「キャリアイメージを教えてください」と聞くと「イメージできない」と回答するかたがいますが、「先の見通しが立てにくい」という特性がからんでくるので理解できます。
自分の強みや、やりたいことを考えていない方が多いのです。
なぜだろう?と考えたときに、
「自分を枠にはめすぎている」からだと私は思います。
上記した「特性・対策・配慮事項」に注力した面接対策ばかりしているからなんじゃないかと。
もちろんこの3点は非常に大事です。
ですが、この3点があるうえで、自分はなにをやりたいのか?
もっとやりたいことを話してもらいたいです。
先々の目標は立てにくくても、「こんなことをしてるときは楽しい」とか、「こんなことをやってみたい」とか、話してもらいたいんです。
特性があっても、障害があってと「やりたいこと」を話していいんですよ。
むしろ、話してくれたほうが意欲を感じたり、自社の仕事とのマッチ度も測れます。
こんなこと言ったら恥ずかしい、否定されるかも…そんなことを思っている方もいると思います。確かにまだまだ障害に対してネガティブな印象をもつ面接担当者もいますからね。
でも少しずつ変わってきています。
ちなみにうちの会社では、本人が話すまでこちらから障害のことは聞きません。
障害者雇用で採用するので、特性・対策・配慮事項は最終的には確認しますが、それよりも、本人の強みややりたいこと、希望、もし話せるならキャリアイメージを聞きます。
うちの会社で本人がのびのび働けそうか、才能が開花しそうか、そんなことをイメージしながら面接します。
こんな変わった面接をする企業もあるということをお伝えしたかったので、書いてみました。