発達障害があっても、強みを活かせる仕事は必ずある
まず最初にお伝えしたいことがあります。発達障害があっても、自分の強みを活かせる仕事は必ずあります。
発達障害のある方は、特性の「凸凹」が大きいことが少なくありません。
できることは驚くほどできる一方で、できないことは本当にできない——そんな極端さに悩んできた方も多いのではないでしょうか。
「できないことを、できるようにしなければ」そう思って努力すればするほど、うまくいかず、自己否定してしまう。就職活動の中で、そんな経験をしたことがある方もいると思います。
私自身、就労移行支援事業所のスタッフとして、そして現在は企業の人事として、多くの発達障害のある方と関わってきました。その中で強く感じたのは、次のことです。
発達障害のある方は、「できないことを無理に伸ばす」よりも、「できること・強みをとことん活かす」ほうが、圧倒的にうまくいく
できないことに目を向け続けるよりも、強みが活きる環境を選ぶ。それが、結果的に長く安定して働くことにつながります。
実際に、定型発達と呼ばれる人よりも、特定分野で圧倒的な能力を発揮する発達障害の方を、私は何人も見てきました。
ただし、その才能や個性は「会社選び」「仕事選び」を間違えると、簡単に埋もれてしまいます。
逆に言えば、強みを活かせる企業・職種に出会えるかどうかが、就職成功の分かれ道です。
この記事では、
- 発達障害のある方が強みを活かしやすい仕事の考え方
- 採用に前向きな企業の特徴
- 就職活動で使えるサポート制度や支援の選択肢
について、現場経験をもとに分かりやすく解説します。
「どんな仕事が向いているのか知りたい」「自分の強みをどう伝えたらいいか分からない」
そんな方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
発達障害の特性は「弱点」ではなく「使い方次第の特徴」
発達障害の特性は、環境や仕事の内容によって強みにも、負担にもなります。大切なのは「苦手をなくすこと」ではなく苦手が問題になりにくい環境を選ぶことです。
ASD(自閉スペクトラム症)の強み
- ルールや手順を守るのが得意
- 集中力が高く、正確性がある
- こだわりを活かした専門性
- 感情に左右されにくい
マニュアルがある仕事、定型業務、専門分野で力を発揮しやすい
ADHDの強み
- 行動力がある
- 発想力・アイデア力が高い
- 興味のある分野への集中力
- マルチタスクが得意な場合も
変化のある仕事、裁量のある仕事、アイデアを活かせる環境と相性◎
LD(学習障害)の強み
- 口頭説明や実技が得意
- 空間認知や感覚的理解が高い
- 一部の作業で突出した能力
書類中心でない仕事、実務重視の環境が合いやすい
発達障害のある方に向いている仕事の考え方
「この仕事が向いている/向いていない」と職種だけで決めるのは危険です。
重要なのは、仕事内容 × 環境 × 配慮の有無。
向いている可能性が高い仕事例
- データ入力・事務補助
- IT・Web関連(テスト、コーディング、運用など)
- 軽作業・製造補助
- 清掃・施設管理
- 専門性のある技術職
負担になりやすい仕事の傾向
- 臨機応変な対応が多い
- 曖昧な指示が多い
- 人間関係の調整が中心
- 数字やスピードを強く求められる

※「絶対に無理」ではなく、配慮や役割調整がない場合に負担になりやすいという意味です。
働きやすさは「職場環境」で決まる
同じ職種でも、職場によって働きやすさは大きく違います。
発達障害のある方が働きやすい職場の特徴は以下です。
- 業務内容が明確
- マニュアルがある
- 静かな環境/集中しやすい
- 配慮事項を相談できる
- 上司・担当者が固定されている

「仕事を選ぶ」というより環境を選ぶ意識がとても大切です!
発達障害のある方の就職活動|基本ステップ
就職活動は、いきなり求人に応募する必要はありません。
① 自己理解を深める
- 得意なこと苦手なこと
- 体調や集中力の波
- 配慮があると助かること
② 働き方の条件を整理する
- フルタイム/時短
- 在宅の有無
- 通勤距離
- 業務量
③ 仕事探しの方法を選ぶ
- 一人で進める
- 支援を使う(就労移行支援/エージェント)
④ 書類・面接対策
- 強みの伝え方
- 配慮事項の伝え方
支援を使うという選択肢もある
一人での就活がしんどい・止まっている方へ
- 生活リズムが乱れている
- 書類や面接で落ち続けている
- 就活を考えるとつらくなる
この場合は、就労移行支援事業所で「準備から進める」選択もあります。
▶ 就労移行支援事業所の見学前に必ず読んでほしいこと
ASD(自閉スペクトラム症)の方に合いやすい仕事
- データ入力・品質管理・検査業務
- プログラミングや研究職
- マニュアルに沿ったルーティンワーク
👉 強み:集中力・正確さ・ルール遵守
ADHD(注意欠如・多動症)の方に合いやすい仕事
- 営業や販売職(行動力・コミュニケーション力を活かせる)
- 企画・クリエイティブ職(アイデアや発想力を発揮できる)
- イベント運営や現場系の仕事(動きながら成果を出せる)
👉 強み:行動力・発想力・柔軟性
LD(学習障害)の方に合いやすい仕事
- デザイン・イラスト・動画編集
- プログラミング(得意な分野に特化できる)
- 職人系・手作業系の仕事(得意な技能を生かせる)
👉 強み:突出した才能・創造力・問題解決力
働きやすい職場環境の条件
- 明確なルールやマニュアルがある
- 静かで集中しやすい職場
- チームで補い合える仕組みがある
- 在宅勤務や時短勤務など柔軟な働き方ができる
支援制度を活用して合う仕事を探す
- 就労移行支援事業所:就職活動や実習のサポートを受けられる
- 障害者雇用枠:合理的配慮を受けながら働ける
- ハローワーク専門窓口:障害者向けの求人を紹介してくれる
発達障害の方に合う仕事は必ず見つかる
- ASDは「正確さを活かせる仕事」
- ADHDは「発想力・行動力を活かせる仕事」
- LDは「得意分野を特化して活かせる仕事」
大切なのは“苦手を補う環境”と“強みを伸ばせる職場”を選ぶことです。な仕事は、発達障害のある方にとっては、少し難しい場合があります。
発達障害の方に合わない仕事とは?|避けた方がよい職種と向き合い方
発達障害の方には、特性によって“合いやすい仕事”と“合わない可能性がある仕事”があります。
この記事では、ASD・ADHD・LDごとに注意したい職種の特徴と、苦手を補う工夫について解説します。
「就職したけど続かない…」「どんな仕事が合わないのか知りたい」という方に役立つ内容です。
発達障害の方が合わない可能性のある仕事の特徴
- マルチタスクを強く求められる仕事
- 曖昧な指示やルールが多い仕事
- 環境が騒がしく刺激が多い仕事
- 長時間の対人コミュニケーションが必須な仕事
- 苦手分野を中心に求められる仕事
👉 合わない仕事を無理に続けるよりも、強みを活かせる職場を選ぶことが大切です。
ASD(自閉スペクトラム症)の方に合わない可能性がある仕事
- 臨機応変な対応を常に求められる接客業
- 曖昧な指示が多い職種
- チームワーク重視でコミュニケーション量が多い環境
👉 ASDの方は ルールがはっきりしている仕事 の方が力を発揮できます。
ADHD(注意欠如・多動症)の方に合わない可能性がある仕事
- 細かいルーチン作業や単純作業の繰り返し
- 長時間座って集中を維持する業務
- ミスが許されない精密作業(経理・検査など)
👉 ADHDの方は 動きのある仕事や創造的な業務 に向いています。
LD(学習障害)の方に合わない可能性がある仕事
- 苦手分野を中心に求められる仕事(例:読み書きが苦手なのに事務中心)
- 書類作成や計算などを長時間続ける業務
- サポート体制が整っていない職場
👉 LDの方は 得意分野を活かす専門職 を選ぶのがベターです。
苦手な仕事に直面したときの工夫
- 支援ツールを使う:タスク管理アプリ、音声入力など
- 環境を調整する:静かな席にしてもらう、照明を工夫する
- 合理的配慮を依頼する:作業を分担してもらう、指示を文章で受ける
合わない仕事を避けるより、強みを活かす選択を
- 発達障害の方には「合わない可能性がある仕事」もあるが、工夫で乗り越えられる場合もある
- ASDは「曖昧さの多い仕事」、ADHDは「細かい単調作業」、LDは「苦手分野が中心の仕事」が不向きになりやすい
- 大切なのは「苦手を補う工夫」と「強みを活かせる環境」を選ぶこと
“合わない仕事を避ける”より、“合う仕事を見つける”ことが就職成功のカギです。
発達障害の方の仕事探し方|強みを活かせる就職活動のステップ
発達障害があっても、自分に合った仕事を見つけることは十分可能です。
この記事では、発達障害の方が仕事を探すときに役立つ考え方、具体的な探し方、支援制度の活用方法をわかりやすく紹介します。
発達障害の方の仕事探しで大切なこと
- 苦手を避けるのではなく、強みを活かすこと
- 働きやすい環境を選ぶこと
- 一人で悩まず、支援を利用すること
ステップ1:自己理解を深める
- 得意・不得意をリスト化する
- 「どんな環境なら集中できるか」を考える
- 就労支援機関でアセスメント(職業適性評価)を受けてみる
👉 例:ASDなら「正確さ・集中力」、ADHDなら「発想力・行動力」、LDなら「得意分野の才能」を活かせる職種を探す
ステップ2:仕事の選び方を工夫する
- 職種だけでなく 職場環境 に注目する
- 在宅勤務やフレックスなど、柔軟な働き方を探す
- 「合わない可能性のある仕事」は最初から避ける
ステップ3:求人の探し方
- 障害者雇用枠 の求人をチェックする
- ハローワークの専門窓口 を利用する
- 求人サイト(一般・障害者向け両方) を活用する
- 就労移行支援事業所 で実習や職場体験を通して探す
ステップ4:応募・面接のポイント
- 自分の強みを具体的に説明できるよう準備する
- 苦手なことは「工夫で乗り越えている例」と一緒に伝える
- 合理的配慮(指示を文章で欲しい・静かな席が良いなど)を希望する場合は、応募時や面接で相談する
ステップ5:支援を活用する
- 就労移行支援:就職活動やビジネススキルを学べる
- ジョブコーチ:職場での定着を支援してくれる
- 医療・福祉機関:メンタル面や生活習慣のサポートも可能
まとめ:自分に合った仕事探しは必ずできる
- 自己理解から始めることが第一歩
- 職種だけでなく「環境」に注目することが重要
- 支援制度を積極的に活用することで、安心して仕事を探せる
発達障害があっても、強みを活かし、自分に合う職場を見つけることはできます。焦らずステップを踏んでいきましょう。
